うちの犬もしかして認知症かも?ボケ症状の原因と予防対策を解説
目次
「アニコム家庭動物白書2022」によりますと、2020年度の犬の平均寿命は14.1歳。1983年の犬の平均寿命が7.5才だったことを考えると、約40年で2倍ちかく平均寿命が伸びている計算になります。それと同時に高齢化が進み、犬にも人間と同じく認知症(ボケ症状)の問題も出てきました。
老年期に入った犬と暮らしていると「もしかしてウチの子、認知症?」と思うシーンもでてきます。
今回の記事では
- 犬の認知症の代表的な症状
- 犬の認知症の初期症状
- 認知症の原因と予防対策
- 認知症になった時の改善策
をおすすめのグッズとともに解説します。年齢を重ねた愛犬と末長く元気に暮らしたい飼い主さんは、ぜひ参考にしてください。
犬の認知症は何歳から
犬種にもよりますが、12〜13歳を超えてから発症することが多く、年齢を重ねるほど発症率は高くなります。予防対策を始める年齢の目安は小・中型犬で10歳、大型犬では8歳と言われています。
犬の認知症の代表的な症状
- 排泄を失敗する
- 他の犬に興味を示さなくなる
- 自分の名前がわからなくなる
- 夜眠れずに徘徊する
- 夜鳴き
- 旋回行動(円を描くようにグルグルと歩く)
- 食欲異常(食欲がない・ありすぎる)
- 自分が今どこにいるのかわからなくなる
- 方向転換ができない(狭い場所に入っても自分で後退して出てこられない)
- 飼い主さんがわからなくなる
「もしかしてウチの子認知症?」初期症状チェック
- 自分の家や近所がわからなく迷うことがある
- 他の犬に対して無関心になった
- 名前を読んでも反応しない
- 飼い主さんに無関心になる
- 夜眠らなくなった
- 夜中に理由なく吠えたり徘徊する
- 今まで出来ていたしつけや行動ができなくなった
- 直角を曲がれない・方向転換できない
- 排泄を失敗する頻度が高くなった
その症状ほんとに認知症?
犬も歳を重ねると認知症の症状が出てくることもあります。しかし気をつけたいのは、これらの問題行動のすべてが認知症が原因ではないことです。
認知症の代表的な症状といわれる「夜鳴き」
視力が弱くなった犬が暗くなると不安で吠え続けてしまっている場合もあります。
排泄の失敗
筋力の衰えや病気の可能性が隠されています。
自分の名前がわからない・覚えていたことができなくなった
自分の名前に反応しないのは、耳が聞こえにくくなっているからかもしれません。「おすわり」や「お手」「マテ」など、できていたコトができなくなった場合も、耳が聞こえない・視力が落ちたなど身体の機能の問題であることが多くあります。
歳をとると飼い主さんのことがわからなくなる場合もありますが、認知の問題ではなく、視力や嗅覚の機能が衰えが原因の可能性もあります。
飼い主が見分けるのは難しい
どの場合も、脳の異常ではなく体の機能の衰えによるものですが、認知症による行動とよく似ているため見極めが難しいのです。また、認知症の症状によくにたものでは、脳腫瘍の可能性もあります。
なんでも認知症が原因だと思ってしまうと、病気や対処できる体の変化への発見が遅れてしまうので気をつけましょう。
不安な場合は動物病院で検査してもらえます。犬の認知症はまだ理解が進んでいない分野のため、検査をせずに「ボケちゃったね」と言われて終わってしまうケースもあります。老犬や認知症に詳しい獣医師に相談するようにしてください。
犬の認知症・原因と予防対策
残念ながら、人間と同じく犬の認知症も原因ははっきりとはわかっていません。また、根本的な治療法も見つかっていないのが現状です。そのため犬の認知症を完全に予防する方法はありませんが、効果や改善が期待できるものもあるので、積極的に取り入れていきましょう。
日常生活に刺激を与える
いつもの散歩コースを変えてみたり、階段や坂道など普段は通らない道をわざと選んでみたりすることで、脳によい刺激になります。
脳トレや筋トレになる遊び
宝探しやかくれんぼ、両手におやつを隠して当てさせる「どっちに入ってる?」ゲームなど、脳トレになる遊びは刺激になり認知症予防に効果的です。また、一見関係ないように思えますが、筋肉をしっかりと鍛えることも認知症の予防には大切です。体が動かしにくくなると、寝ている時間が長くなったり、散歩や遊びを嫌がったりするようになり、刺激が少なく単調な毎日になってしまいます。しっかりと動ける体をキープするのも、認知症予防には重要なのです。
マッサージ
マッサージは体への刺激だけでなく、脳の活性化にもつながるのでオススメです。また、飼い主さんとのスキンシップにもなるため、話しかけながらマッサージしてあげるとより効果が期待できます。
声かけを多くする
用事がある時以外にも、明るい声で愛犬の名前を読んだり、話しかけてあげましょう。脳への刺激になるだけでなく、飼い主さんも愛犬の反応がいつもと違う時に気づきやすくなります。病気や怪我、認知症など、どれも早期発見して早めに対処すること良い結果につながります。
日光浴をする
認知症になると体内時計がズレてしまうことがよくあります。朝・昼としっかりと太陽の光を浴びることで、体内時計をリセットさせましょう。
DHA・EPAを摂取する
DHAやEPAは、認知症予防が期待できると言われています。犬用サプリメントやDHAやEPA配合のドッグフードを与えるのもオススメです。特に柴犬などの日本犬は、魚を中心にした食性活を送ってきた歴史からDHAやEPAの要求量が多く、不足すると認知症になりやすいと考えられています。
認知症になってしまったら
愛犬が認知症だと診断されたら、一気に不安が押し寄せてしまうかもしれません。認知症に特効薬はありませんが、進行を遅らせるための改善策も多く紹介されています。犬の認知症の中でも代表的な3つの症状の対処方法を解説します。
夜鳴き
認知症の犬の行動で、最も飼い主さんを困らせるのが夜鳴きかもしれません。夜鳴きをするようになった時は、目が見えない不安や体の痛みが原因でないかを見極めるために、まずは獣医師に相談しましょう。
■夜鳴きの原因
- 暗くなると目が見えなくて不安
- 寝返りが打てず血流が悪くなって飼い主さんを呼んでいる
- 関節など体の痛み
- 体内時計がずれている
- 排泄の合図の場合
- 認知症
■対処方法
昼と夜が逆転している場合は、できるだけ昼間は起きている時間をつくると、疲れて夜眠ってくれることがあります。昼間に散歩に出たり、室内を歩かせるなどして、疲労感を与えましょう。身体を動かすのが難しい場合には、クッションなどで体を支えて起こし、日光浴をさせてあげてください。夜鳴きの原因が体内時計のずれの場合は、改善することがあります。
暗くなると不安になる犬の場合、あえて部屋を真っ暗にしないでいると安心して眠ることがあります。また、飼い主さんの気配がすると眠る・撫でてあげると鳴き止むという犬もいます。
あまりにも夜鳴きがひどく、犬も人も眠れないという場合には、獣医師に相談して睡眠導入剤を処方してもらうという選択肢もあります。犬の体調や副作用などを考慮する必要があるため、獣医師とよく相談して決めましょう。
IDOG&ICAT UNAGE 低反発シニアベッド
シニア期を迎える愛犬のための工夫がいっぱい詰まった介護用ベッドです。座面は低反発と高反発のウレタンの二重構造になっているので、体が沈み込みすぎず体にかかる圧力を分散し、床ずれ防止にもつながります。寝返りが打ちにくく眠れない老犬にもオススメです。
ベッドで過ごす時間が多くなる老犬だからこそ、負担のないベッドをサポートしてあげたいですね。
排泄の失敗
老犬になると認知症だけでなく、排泄のコントロールが難しくなることがよくあります。わざとではないので、決して叱ったり大きな声をだしたりせず、サポートしてあげましょう。
■排泄を失敗する原因
- トイレに行くまで間に合わない
- 排泄を自分でコントロールできない
- 認知症
■対処方法
排泄の失敗を矯正するのではなく、排泄は失敗する前提で環境を作ります。サークルに入れている間は、どこで排泄しても大丈夫なようにペットシーツを敷きつめて起きましょう。フリーにしている時間は、オムツをしておくのがオススメです。
グルグルと旋回する
老犬になると、同じ場所でグルグルとまわり旋回行動をする犬もいます。認知症の他に、筋力の低下で真っ直ぐ歩けなくなっている場合も。怪我をしないように対策することが大切です。
■グルグルと旋回する原因
- てんかんの発作
- 背骨が曲がっている
- 片方の足の筋力だけが落ちている
- 三半規管に障害がある
- 認知症
■対処方法
犬がいる部屋には、ぶつかると危ないようなものを置かないようにするのがベストですが、目が見えない犬の場合は部屋のレイアウトが変わると混乱してしまいます。その場合は、なるべくレイアウトはそのままに、家具や柱の角に体ぶつかっても怪我しないようにガードしましょう。気泡シートを巻いたり、幼児用のコーナーガードを取り付けても良いでしょう。
飼い主さんが出かける時には、サークルに入れて安全を確保すると安心です。ただし、犬用のサークルは角がありハマってしまう可能性もあるため、角にバスタオルを巻いたものを固定しておきます。ベビーサークルなどの角のないものを使用するのもオススメです。
体の痛みやこわばりが原因で、まっすぐ歩けず回ってしまう犬の場合は、体を温めて筋肉のこわばりをとってあげることで改善する場合があります。ホットタオルで体を温めたり、マッサージで血流をよくしてあげましょう。
iDog UNAGE ウェルネスウェア インナータンク
シニア期や病気のペットが快適に過ごせるように開発された機能性ウェア「unage」(アンエイジ)シリーズ。 着用によりリラックス状態・血流の促進・体幹安定効果による歩行時の転倒やふらつきを予防が期待できる高機能素材を固着したドッグウェアです。
まっすぐ歩けない、フラフラしてしまうなど、機能の衰えによる旋回行動につながる状態からの改善をサポートします。
一番大切なのはひとりで抱え込んで無理をしないこと
認知症は完治することがなく、上手に付き合っていくしかないものです。介護は終わりがないからこそ、飼い主さんが無理をして倒れてしまったり、一人で抱え込んでストレスから限界を超えてしまったりしないようにすることが一番大切です。
家族で協力して、近所にデイケアがあれば上手に利用する、ペットシッターさんや獣医師さんと連携して介護するなど、みんなで一緒に愛犬をサポートしましょう。
犬を迎える時に・大切な家族に選ぶなら…IDOG&ICAT
「IDOG&ICAT」は創業33年の縫製工場を母体とするペットグッズメーカーです。
ペットの骨格を熟慮した立体パターンを元に、「イヌゴノミクス」を合言葉に、身体に沿う・負担が少ない・快適な商品を目指して改善を続けています。
縫製工場を母体ならではの「ものづくり」の精神、積み重ねた知識とノウハウを活かした商品をぜひお試しください。
仔犬期からシニア期まで安心してご利用いただける商品を。
IDOG&ICATは健康寿命20年を本気で支えるペットグッズメーカーとして、真摯に誠実に、皆様のそばに寄り添い続けます。
参照
Prevalence of behavioral changes associated with age-related cognitive impairment in dogs
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